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【F1】2021年の空力レギュレーション変更点とその影響 [F1]

メルセデスAMGペトロナスF1チームは3月2日、2021年F1シーズンに投入するメルセデスAMG F1 W12 Eパフォーマンスを発表しました。

その際、テクニカルディレクターのジェームス・アリソンは、空力に関するレギュレーションの変更について、概要とその影響を解説しています。

Mercedes-AMG F1 W12 E Performance
M256874.jpg

変更点は4つあり、すべてダウンフォースを減らす(その結果、遅くする)のが狙い。

順に見ていきましょう。

1点目はリヤタイヤの前に位置するフロアの、三角形の切り欠きです。

「この部分のフロアがなくなることで、ダウンフォース(の減少)に大きなインパクトがある」と、アリソンは説明しています。

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2点目はリヤのブレーキダクト内側についているウイングレットです。

2021年のレギュレーション変更で、車軸より下側のウイングレットは最大幅が40mm短縮され、最大80mmになりました(車軸より上は変更なく、最大120mm)。

「これらのウイングレットはそれ自体でもわずかにダウンフォースを発生するが、もっと重要な役割は、リヤタイヤ〜フロア間の相互作用をガイドし、フロアが発生するダウンフォースを増やすことだ」と説明。

フロアに近いウイングレットが短くなることで効果が落ちるため、ダウンフォース減につながります。

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3点目はディフューザーです。

ディフューザーは「ディフューザー・ストレーキ」と呼ぶフェンスで流路が仕切られています。このうち、車両中心線にもっとも近い一対のストレーキの高さが50mm短縮されることになりました。

「ディフューザーを設計する際は、できるだけその形状に沿わせて空気を拡散させたい」とアリソンは説明します。

ところが、拡散させることに貪欲になりすぎて空気を急速に広げると、ディフューザーの形状に沿ってくれず、剥離してしまいます。ストールと呼ばれる現象です。ストールすると、ダウンフォースは大幅に減少してしまいます。

これを防ぐため、ディフューザー・ストレーキを用いて流路を仕切っているわけです。

2021年のレギュレーション変更によって中央部分のフェンスが低くなるため効果は落ち(ストールしやすくなり)、ダウンフォースを低下させる方向に作用します。

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4点目はフロア前端サイド部の変更です。

2020年まではこのエリアにスロット(開口部)を設けることが認められていましたが、2021年は禁止されることになりました。

このエリアは車両中心側から外側に空気を抜くことでダウンフォースを発生させる重要なエリアです。

開口部をふさぐことで「フロアの外周部で発生するダウンフォースが減る」とアリソンは説明しています。

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2021年型F1マシンの空力開発は、上記4点のレギュレーション変更によって失ったダウンフォースをいかに取り戻すかが重要なテーマとなっています。

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