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2022年に導入される「LMDh」の技術規則概要 [モータースポーツ]

予告どおり、第88回ル・マン24時間レースの週末(レーススタート日の前日)に、アメリカのIMSAで2022年から導入される最上位カテゴリー、LMDh(ル・マン・デイトナh)の技術規則が発表されました。

LMDhを選択すると、ル・マン24時間をシリーズの一戦い含むWEC(世界耐久選手権)にも参戦することができるようになります。

今回発表された内容は、5月に発表された「草案」をほぼなぞった格好。

草案の内容はこちら↓
https://serakota.blog.ss-blog.jp/2020-05-08

最低重量は1030kg(現在より重くなります)。

モーターとエンジンを合わせたパワーユニットの最高出力は500kW(680ps)で、現行DPi/LMP2(600ps程度)よりやや大きい数値。

ダウンフォース(揚力係数)は(最大)4.0、ドラッグ(抗力係数)は(最小)1.0。というわけで、L/Dは最大4.0。現行ワークス系LMP1のハイダウンフォース仕様とロードラッグ仕様の間で、ハイダウンフォース寄りな設定です。

LMDh_2022_1.jpg
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全長は最大5100mm、幅は最大2000mm、ホイールベースは共通で3150mmに規定されます。

幅は現行LMP2と同じ。長さは現行LMP1より450mmも長くなります。ホイールベースも250mm前後長くなる設定。

このあたりは、先に動き出していたLMHのスペックに寄せた格好。狭いル・マンのピットがさらに窮屈になりそう。

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(クリックで拡大)

アッパーボディワークは、参戦する自動車メーカーが独自にデザインできます。

いっぽう、アンダーフロアはカスタマイズの範囲が大きく制限されます。

LMDh_2022_3.jpg
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力行側は、モーターの出力が占める割合がずいぶん小さいことを示しています。

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(クリックで拡大)

今回新たに、共通ハイブリッドシステムを構成するコンポーネントのサプライヤーが公表されました。

横置き7速ギヤボックスはXトラックが供給。単体重量(モーターを除く)は78kgと発表されています。



モーター(MGU)とインバーターはボッシュ製。

バッテリーとDC-DCコンバーターはウイリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング(WAE)製です。



回生側の出力は最大200kWに規定されていますが、力行側は最大50kWに制限されます。

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(クリックで拡大)

エンジンは、参戦する自動車メーカーが用意します。

エンジンを除いた車両価格は100万ユーロ。そのうち、スパイン(ボディワークを除いたシャシー)が34万5000ユーロ、ハイブリッドが30万ユーロ以下という内訳です。

LMDh_2022_6.jpg
(クリックで拡大)

記者会見の様子はこちら。



さてさて、最初に参戦の名乗りを挙げるメーカーはどこでしょうか。

https://www.facebook.com/serakota/

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