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ポルシェが反応している「LMDh」技術規則の草案 [モータースポーツ]

アメリカのIMSAとヨーロッパを中心に世界各地で行うWEC(FIA世界耐久選手権)の両カテゴリーに参戦できる最上位カテゴリー、LMDh(ル・マン・デイトナh)の技術規則の草案が発表されました。

草案の詳細はLMDhに関心のあるメーカーとシャシーコンストラクター向けに先週公開されており、草案の一部が5月7日に一般公開されています。

Mazda RT24-P / IMSA DPi
Mazda_DPi_2020.jpg

LMDhの概要は以下のとおり。

・(ル・マン24時間を統括する)ACOとIMSAが設けた共通車両で、WECとIMSAの双方に参戦できる。
・LMDhはコスト制限を設けた車両で、共通のスパイン(ボディワーク、エンジン、ハイブリッドシステムを除いた車両骨格)を持つ。次世代のLMP2の位置づけ。
・メインストリームの自動車メーカーのみ参戦が可能(ダラーラ、オレカ、リジェ、マルチマチックのいずれかからスパインを購入する)。
・車両は自動車メーカー(ブランド)独自のボディワークおよびエンジンと、1社供給(未発表)のハイブリッドシステム(リヤ駆動)を搭載。ホモロゲーション期間は最低5年とする。
・最低重量は1030kg。
・ハイブリッドシステムとエンジンを合わせた総合最高出力は500kW(680ps)。
・タイヤは1社供給(ミシュラン)。
・LMDhとLMHのパフォーマンスをバランスさせるため、性能調整(グローバルBOP)を行う。

Le Mans 24 Hours 2019 / WEC
WEC_2018-2019_Rd_297.jpg

LMDhは、LMP2をベースに自動車メーカー(ブランド)独自のエンジンとボディワークの搭載を認めるDPi(デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル)の発展形なのが実態で、リヤにモーターを搭載するのが顕著な違い。

2017年に導入された現行DPi/LMP2は600ps程度のパワーを発生していますが、後輪を駆動するモーター(出力は未発表)の上乗せもあって、LMDhは680psになります。

現行LMP2の最低重量は930kgなので(DPiも同等。BOPあり)、100kg増。

DPiの発展形なLMDhでIMSAに参戦しながら、WECの一戦であるル・マン24時間レースに参戦することが可能になります。

2020年シーズン、DPiでIMSAに参戦しているのは、マツダ、アキュラ、キャデラックです。

一方で、WECの最上位カテゴリーとして新たに導入されるLMH(ル・マン・ハイパーカー)を選択し、IMSAのメインイベントであるデイトナ24時間に参戦することも可能になります(LMDhを選択したうえでWECに軸足を置くもよし)。

トヨタはLMHのGR Super Sportで、デイトナ24時間に参戦することが可能になります。

GR Super Sport / LMH
TGR_LMH.jpg

2019年12月4日付けのLMH(このときはLMPHと呼んでいました。というか、いつLMHになった?)の技術規則には、最低重量は1100kgとの記載があります。

LMH発表当初は、パワートレーン全体の最高出力は550kW(750ps)としていました。このうち、フロントに搭載するモーターの最高出力は200kW(270ps)に制限しています。LMDhとバランスさせるため、出力を低減する方向で調整を図ることになるでしょう。

LMDhは2022年の導入を目指して最終調整が進められます。2020年9月20日に決勝レースが予定されているル・マン24時間レースまでに、技術規則の最終版がリリースされる見込み。

LMDh技術規則草案の発表を受け、さっそくポルシェが反応しています。「取締役会から委任され、コンセプトスタディを行っている」と……。



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