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【WEC】2020年ハイパーカーのパワーユニット規定 [モータースポーツ]

2020-2021年シーズンから適用される『2020年LMPテクニカルレギュレーション』をもとに、ハイパーカー(仮称)のパワーユニットに関して確認していきましょう。

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ハイブリッドシステムの搭載が義務づけられるのは、現行LMP1-H規定と変わりありません。ただし、MGU-K(運動エネルギーの回生と力行を行うモーター/ジェネレーターユニット)の搭載はフロント1基に限定されます。

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(クリックで拡大)

FIA/ACOが規定する新しいル・マン・プロトタイプ(LMP)が搭載するエンジンは、市販するハイパーカーが搭載するエンジンと基本的に同一であることが規定されています。さらに、最初のシーズンが終わるまでに少なくとも25台、2年目のシーズンが終わるまでに少なくとも100台の生産が義務づけられます。

エンジンの種類は「ガソリン4ストローク/往復ピストン」に限定されます。ディーゼルの選択は不可。そして、ロータリーも選択できません。

エンジン最高出力は、燃料流量を増量することで引き上げる方向。

新しいレギュレーションでは、BSFC(燃料消費率)規制が導入されます。過度なエンジン開発を抑制する狙いでしょう。2022-2023年シーズンには緩和される予定で、燃料の低位発熱量にもよりますが、熱効率に換算すると2021-2022年シーズンまでは約38%、2022-2023年以降は約40%まで開発が許されることになります。

トヨタTS050ハイブリッドが搭載する2.4L・V6直噴ターボエンジンの最大熱効率は44%以上と発表されていますので、熱効率面では後退することになります。

エンジン最低重量は180kgと規定されています。現行エンジンは100kg+αと考えられますので、ずいぶん重くなります。量産エンジンベースが基本となる関係からでしょうか。

MGU-K最高出力は現行LMP1-Hより低くなる方向です。MGU-K最高回転数MGU-K最低重量ES(エネルギー貯蔵装置)最低重量はコストの観点からの設定でしょう。現行LMP1-Hと比較すると、最高回転数は1万rpm単位で低く、重量は10kg単位で重くしなければなりません。

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ル・マン1周あたりエネルギー放出量は約4割減となります。MGU-Kの出力が低くなっていることと合わせ、ハイブリッドシステムがパフォーマンスに与える影響力は現在よりも小さくなります。

ル・マンでの想定予選ラップタイムは3分22秒としていますが、このタイムは2017年のLMP2上位より2〜3秒速く、LMP1ノンハイブリッド勢の上位より2秒遅いレベルです。

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