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新旧LMP2の寸法など [モータースポーツ]

デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル(DPi)の中身を知るには、新しい規格に移行したLMP2の素性を知る必要があるわけで、テクニカルレギュレーションをチェックしてみたら、要所の寸法に関しても気づくことがいくつかありました。

Ligier JS P217(Onroak Automotive)
JS_P217.jpg

2016年までのLMP2は、全長が最大4650mmに制限されていましたが、2017年に導入された新規定では最大4750mmに規定されます。全幅は最大2000mmから最大1900mmになってLMP1と同じサイズになりますが、全長は100mm長い。両者が並んだときにどう見えるか、気になりますね。

全長が100mm伸びても(「最大」の規定なので伸ばさなくてもいいわけですが)前後オーバーハングの寸法規定は変わっていないので、それぞれ最大値で設計すると、ホイールベースは2900mmから3000mmに伸びることになります。オレカ07のスペックシートを確認すると、全長が4745mmなのに対してホイールベースは3005mmと記してあります。前後オーバーハングに使える寸法(最大1750mm)を10mm分、ホイールベースに割り当てていることがわかります。

旧規定に合わせて設計したオレカ05の全長は4640mm、ホイールベースは2950mmでした。前後のオーバーハングを削って長いホイールベースを確保していたことがわかります。新規定では、前後オーバーハングを犠牲にせずに長いホイールベース(にすると、ユーザーフレンドリーなハンドリング特性にしやすい)を確保できることになります。

Oreca 05(2016)
oreca05_dimension.jpg
(クリックで拡大)

リヤウイングのサイズも変わっていて、新規定ではLMP1と同じ最大幅1800mmになっています。しかも、前後長はLMP2の旧規定や現行LMP1より50mm長い300mmまでの寸法が認められます。結果、リヤウイングの使い勝手が増すことになります。

フェンダー上面に義務づけられる開口部の面積と位置は、LMP1と共通になります。ちなみにリヤは前後方向に530mm×左右方向に190mm。

リヤタイヤの寸法は31-71R18で変わりありませんが、フロントは径が大きくなり(その結果、接地面積が増えます)、30-65R18だったサイズが30-68R18になります。ちなみにLMP1は前後同サイズで、31-71R18。

Oreca 07(2017)
oreca07_dimension.jpg
(クリックで拡大)

エンジンは全車、450kW/555Nmを発生するギブソン製の4.2L・V8自然吸気を搭載する決まり。アルピーヌが公表している2016年版Nissan VK45(4.5L・V8自然吸気)の最高出力が410kWですので、40kW(約54ps)増。

IMG_7337.JPG

最低重量は900kgから930kgに増えています(エアコンの搭載義務づけなどが理由)が、エンジンの高出力化や各種寸法の変更によって、新LMP2が旧LMP2より速くなるのは間違いなさそう。LMP1との差がどこまで縮まるのか、気になりますね。

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