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2014年F1テクニカルレギュレーション:エンジン編 [F1]

いつものように、備忘録を兼ねて。チェックしたい項目は山ほどありますが、まずはエンジンに関する決めごとから押さえておきましょう。アウトライン(気になる点を抜粋しています)は以下のとおりです。

・排気量は最大1600cc。

・最高回転数は15000rpm。

・最大燃料流量は100kg/h。ただし、10500rpm以下の場合、回転数×0.009+5の計算式で求められる流量(kg/h)とする。
→例えば、10000rpmのときは95kg/h。8000rpmなら77kg/h。低中回転域で過給圧を高め、押し込んだ空気量に見合った燃料を供給するというような制御はできない? 10500rpm以上は過給圧を落としつつ、回転を高めて出力を得る方向でしょうか。

・ターボチャージャーは1基(可変ジオメトリーは禁止)。タービンとコンプレッサーを結ぶ軸はクランクシャフトと並行でなければならず、車両中心線に対するオフセット量は最大25mm。排熱回収のモーター/ジェネレーターユニット(MGUH)は、タービンとコンプレッサーを結ぶ軸の軸上に配置。
→ターボチャージャーはエンジンの直前か直後、あるいはVバンク間に置くしかなさそう。

・排気はVバンク外側。
→内側排気が見たかったです。ターボチャージャーの位置が限定されますので、排気管の取り回しが難しそうですね。

・シリンダー数は「6」で、Vバンク角は90度。
→クランクピンをオフセットさせずに等間隔爆発になる、120度バンクが見たかったです。

・最大ボア径は80mm(±0.1mm)。
→最大ボア径で設計した場合、ストロークは約53mm。ちなみに、1.5L・V6のホンダRA168E(1988年)のボア×ストロークは79.0×50.8mm。

・クランクシャフト中心線の位置はリファレンスプレーンの上方90mm(±0.5mm)。
・パワーユニットの重心高はリファレンスプレーンの200mm上方より上。
・バルブステムの直径は5mm以上。
・タイミングギヤの厚さは8mm以上。
・パワーユニット(補機類を含むエンジン+エネルギー回生システム一式)の最低重量は155kg。
→上記5項目はコスト削減の絡みでしょう。

・サバイバルセルおよびトランスミッションとのマウンティングポイント位置固定。
→チームにとっては、エンジンやトランスミッションの選択自由度が広がりますね。どのメーカー/チーム品を選択しても、大がかりな設計変更が不要になりますので。

・インジェクターは気筒あたり1本。排気バルブより後方への配置は禁止。
→ターボチャージャーのレスポンスを高めるような使い方を禁じています。

・テールパイプの後端から100ミリは円筒形でなければならない。
→エキゾーストは燃焼ガスの排出だけを目的に設計しなさい、ということですね。

・可変バルブタイミング&リフト機構は禁止(継続)。
→量産車では当たり前技術なのに……。

・最大噴射圧は500bar。インジェクターと燃料ポンプはFIA指定品を使用。
→エンジンコンストラクターにしたら、インジェクターの噴孔(径と数、配置)は開発のしどころでしょうに。残念です。

以上です。近いうちに、KERS改めERS(Energy Recovery System)の規則を確認したいと思います。

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