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トヨタのKERSは電気式が前提だが…… [F1]

7月29日、エンジン開発責任者・ルカ・マルモリーニによるQ&A形式のリリースが発表されました。BMWザウバーのようにはっきりと、「ウチは電気式」「KERSで培った技術を市販車に転用したい」とは言っていません。うやむやですが、行間を読むと、電気式を開発しているらしいことがうかがえます。

それにどことなく、イヤイヤ取り組んでいる感がにじみ出ています。トヨタのKERSに対するスタンスなのでしょう。例えば、「KERSの開発の95%は台上で済ませられる」と、実走テストには否定的ですし、「0.1-0.3秒のラップタイム短縮効果が期待できる」としながらも、「重量配分やパッケージングの絡みを勘案しなければ」と付け加えることを忘れません。

しかも、
「KERSは市販車用で行われていることとダイレクトに比較することはできない」
「トヨタが市販車で取り組んでいることは燃料消費の効率向上が目的(KERSはそうではない)」
「市販車で理想的な仕組みはKERSよりも洗練されている」
「KERSの開発を通じて、市販車の開発に転用できるブレークスルーを期待してはいない」
「レースに関しても、トヨタはすでにKERSよりも進んだテクノロジーを使っている」
とまあ、けちょんけちょんです。

KERSより進んだテクノロジーとは2007年の十勝24時間レースに出走したスープラHV-Rが搭載したシステムのことです。KERSが後輪回生なのに対し、HV-Rは4輪回生。しかも、フロントはインホイール式(なのが弱点でもありますが)。

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蓄電池はキャパシタ。

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感電保護対策が万全なのはもちろん、水冷式として冷却対策もばっちり(クローズドなコクピットの場合、室内はサウナ状態になりますが)。ラップタイムの短縮と燃費の向上を両立する制御(エンジンが生み出す力にモーターの力をどのように乗せるのか、あるいは回生ブレーキをどのように介入させるのか。力行から回生へと反転する際のモーターの制御は。ドライとウェットは。前後の配分は、などなど)については一日の長があり、「KERSなんて、何をいまさらそんな」というのがトヨタの本音なのではないでしょうか。
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